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2008.2.24(日)
「みき9条の会 結成!のつどい」
伊藤千尋・朝日新聞記者の熱のこもった話に100名が聞き入る

三木市立総合保健福祉センター2F研修室

伊藤千尋さん

昨年6月に「三木市でも九条の会を!」と活動を開始して、6月に「『9-NINE-憲法9条は訴える』ビデオ上映会」、10月に「日本の青空」上映会の成功を経て、雪が舞い降る2月24日、「みき9条の会 結成のつどい」を開催。記念講演会には朝日新聞記者の伊藤千尋さんを講師としてお招きして、約100名が参加し、成功を収めました。

会はまず、「戦争を知らない子供たち」「ねがい」を参加者全員の合唱で開幕。そしてこれまでの経過報告、代表の赤松彰子のあいさつが続き、「汚れていく地球、戦争の世界を次の世代に残さないようにがんばりましょう」とのメッセージがありました。また北区九条の会から連帯のメッセージが届けられたことも報告されました。

歓迎の歌

いよいよ伊藤千尋さんの講演、とその前に伊藤さんがスペイン・バルセロナの支局長をされていたことを受け、世界的チェロ奏者パブロ・カザルスが平和へのメッセージとして演奏したカタロニア民謡「鳥の歌」を特製のコーラス隊で歓迎演奏。

そして講演。予定にはなかったカザルスのエピソードから始まりました。ナチスのプロパガンダとなったミュンヘン・オリンピックに対抗して、「バルセロナ人民オリンピック」開催を企画、開会式で演奏する「第九」の指揮をカザルスが振る予定だったこと、しかしそのリハーサルの最中にクーデターが勃発し、失意の中の最後の第九演奏、そして続くフランコ独裁政権。彼は独裁政権に抵抗の意を表すために演奏活動を封印したこと、そして晩年のカザルスが過ごしたプエルトリコには現在「カザルス記念館」が建っており、日本人の観光客が一番多いこと・・・その話題の豊富さに、早速ぐんぐんと引き込まれていきました。

今回の演題は「世界から見た憲法9条」。まずはアフリカ・カナリア諸島にあるテルデという町にスペイン語で書かれた「日本国憲法9条の碑」なるものがあることから始まりました。その町では、市長があるバス道を作るときに余った土地を、「平和を考える広場」にしようと考えたことがきっかけとなり、ついた名前が「ヒロシマナガサキ広場」、そして象徴となるものをとして出来たのが「憲法9条の碑」。「私たちは『9条』を自分たちの国だけのこととせず、地球上のあちこちでは、『9条』のようなものがほしいと思っている人がたくさんいるということを忘れてはいけない」とまず話されました。

次に日本と世界の間にある「憲法」の捉え方の違いについて話されました。まず出てきたのは今ホットな中南米の国々。ベネズエラのカラカスでは露店の本屋で「憲法」の本が売れていることを紹介、買った人を追いかけて聞いた言葉が「憲法を知らないでどうやって生きていくのか、どうやって闘うのか」。チリではピノチェト軍政の時代、獄中で反政府記事を書いた雑誌編集長の話「軍政といえども、憲法ではチリは民主主義共和国とある。自由な出版は憲法で認めてられている」、8時になると窓を開け、ナベをたたくことで政府に抗議の意を表す主婦たち、一人ひとりの個人が表現することで軍政が終結した。その戦うための武器が「憲法」だったこと。そして2001年から赴任したアメリカ・ロス支局時代は、赴任して直後に起きた9・11。そして星条旗一色の愛国国家となったアメリカで、唯一反対票を投じたバーバラ・リー上院議員、周囲の激しいバッシングにも負けずに「なぜブッシュ政権に反対するのか」を地道に説明していき、1年後の選挙では8割以上の得票率で当選。「私は合衆国憲法に沿って投票した。議員としての責任を果たしただけ」ここでも憲法を武器に戦う人。イラク戦争で息子をなくしたシーハンさんの座り込み運動、マイケル・ムーア監督の「華氏911」上映をめぐっての世論の盛り上がり・・・表現する個人が世論を動かしていったことを熱く語られました。

そして中米コスタリカ、日本と同じ「平和憲法を持つ国」。ここでは憲法を作っただけでなく、それを活用する人々がいることを様々な例をとって紹介されました。

2004年、コスタリカの大学生が、アメリカのテロ戦争に賛成した大統領を「憲法違反」だとして訴訟を起こし、勝ったこと。その大学生に「大学生が大統領相手に訴訟を起こしたことはすごい」と言うと、「コスタリカでは小学生でもできるから不思議ではない」と。訴訟を起こすためには憲法を知っていないといけないし、権利意識がないといけない、じゃあ、それをどうやって教えているかというと、それを表す簡単な2つのことばで、小学校入学と同時に教えるそうです。それは「人はだれも愛される権利がある」「愛されていないと思ったら、愛される条件に変えることができる」ということ。訴訟を起こすには電話一本で裁判所から係官が駆けつけ、訴状は「名前」「連絡先」「何が不満か」の3点のみ。費用はすべて国家が負担する。ここには「みんなの手で社会を良くしていこう、行政の気がつかなかったところを、気づいた人が指摘してほしい」という考えがあり、この点で日本の社会は「なるべく訴訟を起こさせない」システムだとの指摘がありました。その他にも「コスタリカは自国が平和憲法を持つに留まらず、世界に平和を輸出している」と自分の国に誇りを持つ女学生の話、コスタリカにエコツアーで行ったとき、とあるエコロッジで荷物を持ってくれた係りの人が、「これからは環境だ」と、退職後、私財でエコロッジを経営している元大統領だったことなどのエピソードが紹介されました。

最後に、「冷戦後の世界の流れは『アメリカからの自立』に向かって動いている」と指摘。南米では90年代にアメリカ新自由主義経済の「民営化路線」を進める、「日本の小泉のような」大統領が貧富の差を広げた結果、「これではいけない」という民衆が立ち上がり、左翼政権が次々と誕生している。ヨーロッパではEUが誕生し、ユーロが基軸通貨となるくらいに力をつけている、韓国・中国の台頭・・・「世界の先進国はアメリカからの自立を模索しているのに、日本だけがアメリカべったり」とその違いを話されました。

「平和を考えるときに大事なことは、『国家』ではなく『個人』に立って考えること。『個人』が集まってこそ『国家』になる。一人ひとりの人間が安心して生きていくことのできる社会が『平和』な社会」「一人一人が自分の頭で考え、楽しい発想で運動を進めていきましょう」としめくくられました。

サイン会の模様

講演後、著書のサインセールに長蛇の列が。参加者からは「目からウロコ」「勇気をもらった」「誰かが何かをしてくれるのを待つのではなく、自分から動きたい」などの感想が多く集まりました。

参加された方の感想はこちら参加者の感想ページ

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